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10月に読んだ本まとめ

こんにちは。

先月は漫画だけではなく小説も読めたので充実してました。少ないですが毎日の通勤時間とお昼ご飯食べながら、ちょっとずつでも読むと読書もはかどるものですね。

 

屍者の帝国 (河出文庫)

屍者の帝国 (河出文庫)

 

映画を観てから原作が気になって、やっと読めました。

プロローグの部分を伊藤計劃氏が遺したもので、その後の本編を円城塔氏が引き継ぐ形で完成したこの作品。どちらの方の作品も読んだことが無いので作風などについての詳しいことは分かりません。SFで、ストーリーの核となっているのが文字通り「屍者」なので難しいシーンもたくさんありました。映画との違いは…というか、違うところだらけでした。映画ではワトソンと友人関係にあったフライデーを屍者化するというものが、原作ではワトソンとフライデーの関係性に友情はなく、フライデーはただの記録係としてワトソンについているだけ。原作のこの情報量を2時間ちょっとの映画にするのは難しいと思うので、映画でワトソンとフライデーを友人関係にしたことはよかったと思います。むしろフライデーをただの記録係として映画も描いていたなら焦点をどこにおいていいのかたぶんわたしは分からなかったと思うし、死んだ人間を屍者化するということがどういうことなのか考えることもなかったかもしれません。友人が亡くなって、別の魂をインストールして屍者化してまで、その続きの研究を目指すということが分かりやすく描かれていたと思います。簡単にいうと感情移入しやすかった。

バーナビーの印象は原作も映画も変化してないように思います。まっすぐで気のいい軍人。お祭り男。そのままの印象でした。本を読んでいてもバーナビーのセリフは全部、楠大典さんの声で再生されました。

ハダリーは映画の方が人間味があったと思います。原作の方がもっと目的のためなら手段を選ばない感じ。原作だとワトソンとハダリーはキスしてるんですね。でも色仕掛けでワトソンをだまそうとしているようなキスなので映画ではしなくてむしろよかったなと思ってます。(映画のシチュエーションはまた全然別でしたが)

ニコライとカラマーゾフは映画がこわい。生者に魂の強制インストールの仕方が映像のインパクトが強かったからなのか、もっと幼い頃に見ていたら確実にトラウマになりそうなシーンだったので。

ワトソンは伊藤計劃氏が書いたプロローグの部分と円城塔氏が書いた本編では人物の印象が違いました。プロローグのワトソンの方は屍者を生物としてではなく、本当に死んだその瞬間から人間もモノになるんだというくらい冷静な印象を持ちました。本編はそこから旅に出て屍者のことだとか世界で何が起きているのかだとか色々見たものから考えるようになるのでそういうワトソンの心情の変化もあるのだとは思いますが、”あとがき”でその答えが分かったような気がします。

自分自身の死の可能性が確率として高まってる状態で、次回作は死者を労働力にしている世界について書きます、と嬉々としている時点で人の悪さも極まっている

円城塔氏が伊藤計劃氏をこのように言っている文があるのですが、そう言われてみると確かに。死者を労働力のリソースとして利用することについてどう考えていたのかと。引き継いだ円城塔氏はまるで現代のコンピュータの役割をそのままにしたかのような屍者の使い方を描いています。納得できる部分もあります。一から作らなくても死体があって、そこに必要なプログラムが書かれたソフトウェアをインストールする。それだけで動いてくれるわけですから、使用する側としては楽ですよね。

可能なことはいずれ起こるし、想像できることは実現される。

道徳的にも倫理的にも許されることではないですが、できてしまいそう。死なない生者をつくるのが先か、生きてるみたいな死者をつくるのが先か。

民衆とは、大局を見ることができず、片言隻句の揚げ足をとり、発言の真意を酌もうともせず、次は我が身に降りかかるはずの悪法を積極的に支持しさえする生き物だ。

技術を生み出すのは人だし、それを使うのも人です。判断は間違えないようにしないといけない。教訓になりそうです。

 

 

読書メーターのコメント欄では到底「屍者の帝国」の感想に足りなかったので追記しました。10月に読んだ本のまとめは↓です。

 

2015年10月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1846ページ
ナイス数:104ナイス

ONE PIECE 79 (ジャンプコミックス)ONE PIECE 79 (ジャンプコミックス)感想
ドフラミンゴの出自が天竜人だったことで海軍と世界政府の関係性なども明るみになってきてそちらの方面でも楽しめてます。とにかくサボがかっこいい。去り際の台詞がエースと同じで兄弟ってやつは…と泣けました。血の繋がりはなくても家族より家族らしい絆があることを教えてくれるワンピース素晴らしいです。MVPあげたいのは最後まで実況してくれたギャッツ。自分にできることを確実に実行していたことがかっこよかった。
読了日:10月3日 著者:尾田栄一郎
ハイキュー!! 18 (ジャンプコミックス)ハイキュー!! 18 (ジャンプコミックス)感想
変人コンビもいいけど、バレーは頭で考えて冷静にプレーできる人間も必要ですから!と元バレー部のわたしはツッキーの覚醒しつつある今回が嬉しいです。それに相手の渾身のスパイクを完璧にシャットするあの気持ちよさ、漫画であってもすっきりします。山口とツッキーの台頭はますます話を盛り上げてくれそうで次も楽しみです。脇を固める先輩たちもかっこいい。意外と冷静な田中のブロックアウトとか細かいところにも見どころがたくさん。
読了日:10月6日 著者:古舘春一
図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2) (角川文庫)図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2) (角川文庫)感想
ドラマ版を見て、以前読んだ原作を再び引っ張り出してきました。小牧さんと毬江ちゃんの話は是非実写で見たかったので今回ドラマという形で見られてよかった。柴崎が郁のことを気に入っている理由がとても丁寧に書かれていて、丁寧すぎて、ああいうことは女性社会にはよくあることなので少し怖くなるくらい。最初に読んだ時もだったけど、「世界中で一番好きな声だったのに。」の一文が音がなくなるとはどういうことなのか分かりやすく想像させてくれた一文でもあり、知らずに涙が流れる一文でもありました。
読了日:10月9日 著者:有川浩
発情オオカミ君愛を叫ぶ (バンブーコミックス Qpaコレクション)発情オオカミ君愛を叫ぶ (バンブーコミックス Qpaコレクション)感想
「ひずむ三角、ほどけて絡む」がおもしろかったので本屋さんで探して買いました。ひずむ~の方は全編通してシリアス色強かったですが、こちらは変な性癖の社長がおもしろいのとギャグ色強めでそしてヘンタイでした。途中ちょこちょこ挟まれるヘンタイがいいバランスでした(笑)いくらなんでも3万5千円の家賃の社長おもしろすぎる。森ガールもぶっ飛んでて、BLでここまで笑ったことそんなにないかもしれないです。
読了日:10月9日 著者:碗島子
新テニスの王子様 16 (ジャンプコミックス)新テニスの王子様 16 (ジャンプコミックス)感想
手塚部長と跡部様の対決がちょこっとだけどダブルスだけど、また見られてよかった。今度は手塚部長が勝ったけど、足りないものは覚悟だと修行?に向かう跡部様。ずっとふたりは切磋琢磨していくんだろうな。リョーマとリョーガのダブルス見られなくてちょっと残念。幸村は五感を奪われて、全国決勝のリョーマを思い出して覚醒するんだろうなと思うと楽しみ。王者の重圧とかそういうの関係なく「テニスって楽しいじゃん」の気持ちだけでプレーする幸村を早く見たい。
読了日:10月11日 著者:許斐剛
屍者の帝国 (河出文庫)屍者の帝国 (河出文庫)感想
映画を見てから本を読み始めました。「可能なことはいずれ起こるし、想像できることは実現される。」この一文通りに世界で屍者技術が展開され、インフラとして整備される日が来そうだと思いました。現代のコンピュータがそのまま屍者として存在する世界観のようで、確かにリソースの調達は楽になるだろうなと想像した自分にもぞっとしました。映画のラストシーンをどう捉えたらよいのか、それが知りたくて読み始めましたが、全編通して楽しめました。
読了日:10月23日 著者:伊藤計劃,円城塔
つれづれ、北野坂探偵舎  トロンプルイユの指先 (角川文庫)つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先 (角川文庫)感想
「小説を完成させるのは、作者なのか、読者なのか」いよいよ紫色の指先が出てきます。幽霊にしては自己主張もなく大きな存在のはずなのに誰よりも存在感が危うい紫色の指先。彼女が作り出した世界観から出ようとする人、空間を壊したくないから邪魔をする人、幽霊の世界で一番大きな力を持ってると思われてるのが生者だというところがおもしろい。佐々波さんとレイニーが天才だと評する作家が書く小説なのか、ユキの言葉なのか、どちらが彼女に響くのか最終巻までドキドキして待ちます。
読了日:10月29日 著者:河野裕

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