【2017.03.07夜】ミュージカル刀剣乱舞~三百年の子守唄~【刀ミュレポ/感想】
こんにちは。
そして明けましておめでとうございます。全然ブログ打ってなかったんですね。12月のらぶフェスもブログ打つ予定だったのに、終わってビール飲んで楽しくなっちゃったら忘れてました。年明けてからも謎解きゲームとか舞台とか色々毎週のように行ってたんですけど、行き過ぎてて感想書く隙がなかったです。
でも刀ミュ新作!始りましたね。カムバック石切丸さんが発表されてからそわそわしていました、今回の公演。前回はそんなにメインを張るって感じでもなかったので、今回どうなる?メインの話に絡んでくる?とか色々想像して待っていました。人間キャストは徳川家康がメインですし、石切丸さん関係なくない…?と思っていたのですが、がっつりメインでしたね!
というわけでここからは、いつものようにネタバレしかないのでご注意ください。
これから公演を観るという方はネタバレ見ない方が泣けると思います。
やっと推しを自引きできてうれしいかぎりです!
ネタバレあるのでスクロールお願いします。
じゃあ、ネタバレ満載の感想いきますね。
※刀剣男士たちのセリフは全部ニュアンスです。
まず感じる違和感。
そう、加州清光がいない。
そして阿津賀志山も幕末も人間キャストの戦いから始まったのに今回は本丸スタートです。のほほんとした石切丸さんが何かを書いているところから始まりました。出てくるのは石切丸だし、時間はゆっくり流れるしでここからどういう流れに?と今までのものを見ているだけに新しい刀ミュ始まった感でいっぱいでした。
そこに通りかかる大倶利伽羅に話しかけるも塩対応。ここで「先の戦いを記録しておこうと思うんだ」と何をやっているかを明かしてくれます。
石切丸「ああ、大倶利伽羅さん。ちょうどいいところに」
大倶利伽羅「何をやっている」
石切丸「似顔絵をね。挿絵があった方が読んでいる人が楽しいだろう?」
と、大倶利伽羅を引き留めて彼の似顔絵を描き始めます。大倶利伽羅は基本塩対応だけど引き留めたら止まってくれるし、なんだかんだいい子でした。
「いつか誰かが見た時に思い出してくれるかもしれないだろう?」とちょっと切なげ。ここの大倶利伽羅含めて切ない感じの空気に一瞬なるのは後々分かります。
手紙も最後まで書いたことがないと言う石切丸。今回のこの記録も書き終えられるか分からないけど、まずはどこから書き始めようかなぁと悩み始め、村正が顕現したところから物語のスタートです。
ということで今回の刀ミュはもう終わった戦いを石切丸の回想という形で話が進んでいきます。
ここから先は、まだ1回見ただけなので時系列あやふやだったりします。すみません。
大まかにストーリーを書きだすと「ハイスピードでお送りする家康の人生with刀剣男士」です。決してふざけているわけじゃないんですが、家康の人生の要所要所に刀剣男士がいて、その生涯…といった流れです。劇中の村正同様、わたしがあまり徳川家康という人物がそんなに好きでもなく~なので、感情移入できるかな、どうかなと思っていた部分はあるんですが、そういった人がきっと多いだろうことを見越してそれをカバーしてくれる脚本になっていました。なので、大河ドラマとかを見て徳川家康か~微妙だな~狸親父だもんな~とイメージを持っている方はたぶん村正の言うセリフすべてに首もげるほど頷きたくなります。これが応援上映でもあったなら村正の言うセリフの後ぜんぶで「それな!」と言ってたと思います。
村正顕現
登場から濃かったです。
わたしの本丸には村正も蜻蛉切も物吉貞宗もいないので、パッと見のビジュアルとセリフもメインのものくらいしか知らない状態で村正顕現からいきなりソロ曲始まるんですね、村正さんの。なんか圧倒されます。「脱ぎまショウか?」を惜しげもなく最初からバンバンぶっこんできます。ちらちら見える絶対領域はエロスだし、歩き方すごいんですよ。腰から歩くの。腰をまわして歩いたりしてくねくねしてるんだけど、オカマっぽいわけじゃないっていう。この表現は舞台経験浅いキャストじゃできなかったよなぁ、と思ういきなりの村正オンステージ。歌もうまいから本当にすごい!
そして村正の顕現を待っていた蜻蛉切さんが本丸を案内することに。
青江と大倶利伽羅は遠征へ
青江と大倶利伽羅は遠征で任務を終え帰るところ。
青江「どうする?一泊していく?」
大倶利伽羅「泊まりたければ勝手にすればいい。俺は帰る」
馴れ合わない姿勢最高です。(とはいえ、なぜふたりで遠征?簡単な任務だったのかな?)
そして倒したはずの時間遡行軍の気配を察知して岡崎城へ向かうとこの時代に死ぬはずのない本多忠勝など松平家(家康は徳川姓を名乗る前は松平さんです)の家臣が続々と討ち死にしていく。つまり、歴史改変されちゃうんです。
ゾンビのように蘇る時間遡行軍を片付けていく青江と大倶利伽羅に赤ん坊が託されます。これが後の家康になる竹千代です。赤ん坊を抱いたまま戦う青江と大倶利伽羅。殺陣がマジでかっこいいです。赤ん坊を抱えながら戦う青江に「俺ひとりで戦った方がマシだ。早く行け」と大倶利伽羅が声をかけるんですけど、赤ん坊を捨てろとかは言わない。でも赤ん坊をどうすることもできなくて時間遡行軍の数は減らなくてとにかくふたりで頑張り続けます。
その頃の本丸
石切丸が主に呼ばれ任務についての打ち合わせ中。ここでうまいな、と思ったのが任務の中身を話し終えた後の本丸のシーンだったこと。任務の詳細は審神者と石切丸でもう話がついていて、石切丸の「難しい任務になるね」で始まるのでどんな任務かは想像するしかない。なのでこの後の石切丸の行動とか決断は審神者からの任務の範疇なのか石切丸自身の答えなのか分からない。ここら辺も想像しながら観ていると今回のストーリーおもしろいです(激重です)。
出陣に呼ばれた村正、蜻蛉切、物吉も本丸にやってきます。家康の愛刀だった物吉と徳川家に忌み嫌われていた村正との間を取り持つ蜻蛉切といった感じでバランスがとれていておもしろかったです。蜻蛉切いなかったらどちらかが一方的になっていたかもしれないので。
村正が持つ家康のイメージが客観的でとてもよかった。「狸親父でショ」とか、大河ドラマとかでもそうですけど、所謂いい人とか、生き様がかっこいい!とかで扱われることがほとんどない徳川家康。日本人は散り際の美しさとか終わりに美を求めたりするので新選組とか真田幸村とかそういった話は大好きなんですよ。でも家康といったら関ケ原の戦いに勝って、征夷大将軍にもなって江戸幕府をひらいて、泰平の世を築いて、年老いて亡くなる…一生なので物語的に盛り上がらないから狸親父としていてもらって、そこに挑む人たちをドラマチックに描く方が盛り上がる。村正が抱いている徳川家康もそのイメージなんですが、傍で見てきた物吉は決してそんなことは無いと言う。この辺がおもしろいギャップで、ふたつの側面から見える家康なので見終わった後にイメージが変わることがもしかしたらあるかもしれない。そんな家康像です。
岡崎城付近へ出陣
全員そろったところで言い渡された任務は、遠征に行ったきりのにっかり青江と大倶利伽羅が行方知れずなので見てきてほしいというもの。メインの任務は審神者は石切丸にしか伝えてないようです。
さっそく出陣し、蜻蛉切のかつての主である本多忠勝などの討ち死に、松平家の壊滅を知ります。ここで気になったのが歴史が改変され本多忠勝が討ち死にしたことを聞いても取り乱したりすることなく冷静だった蜻蛉切です。今までの刀ミュはかつての主が死ななくてもいいような道を一度は期待してしまう、そんな刀剣男士たちがいましたが今回はこの段階ではスムーズに受け入れていたので、あっさりしてるなーと思いました。たぶんですけど、今回の第一部隊は村正を除いたら顕現したてとかではなくもう結構前から本丸にいる刀たちで、かつての主のこととか自分の役割とかそういったところの答えを出しているのかも。なので蜻蛉切も悲しんだりはしないけど、本多忠勝の誇りを汚させないというそこにかける想いはすごかった。
続々と戦いながら青江と大倶利伽羅と合流する石切丸一行。最後の登場はやはり機動値底辺の石切丸隊長でした。青江に「石切丸さんは相変わらずのんびりだねぇ」と言われ微笑み合ったりして。このふたりよく向かい合ってにこにこしたりするんですが、おじいちゃんとおばあちゃんかなってくらいゆっくりとした時が流れるので癒しです。
もう歴史は改変されてしまった、と言う村正。その通り、松平家は家臣も含めてほぼ全滅。残ったのは後の家康になる赤ん坊ひとりです。
村正「家康がひとりいたところで歴史がどうなるとも思えません」
その通り。村正は意外と正論しか言いません。そこで石切丸が自分たちが討ち死にした松平家の家臣となって、家康を育てサポートして、徳川家康をつくろうじゃないかと提案します。これはきっと審神者の指示ですよね。
そして石切丸は服部半蔵になると言います。(無理だけど、家康の息子の信康が生まれてくれるなよと思った瞬間です)
家康の傍で歴史を見てきた物吉はもちろん家臣としてなくてはならない存在。承諾します。青江も「おもしろそうだから協力しよう」と酒井忠次の役目を負います。蜻蛉切は自分が本多忠勝に成り代わるのはおこがましいと答えを保留にします。無理強いはしない、それぞれで答えを出してほしいと言う石切丸に、阿津賀志山が垣間見えました。加州とぶつかったのがここでも活きてて本当によかった。答えはひとつではないのでそれぞれに託します。
馴れ合いたくない大倶利伽羅と家康なんて御免だ、の村正は家臣には加わらず周辺警護という立場をとります。
子育て
各刀剣男士たちの子育ての仕方が紹介されます。
「いないいないばぁ」であやす物吉、「蜻蛉切さんは蜻蛉切さんだった」という石切丸のナレーションと共に登場した蜻蛉切は竹千代をおぶりながら槍の稽古をしていました。どこからどう見てもお父さんでした。
青江さんは子育てというか赤ん坊に興味津々なようで、でも扱い方が分からないのか乳母車を押して登場するんですがその乳母車を勢いよく押して手を離すなんて場面も。扱い方は分からないけど見ているのは楽しいようでした。
石切丸「にっかりさんは前にどうして自分は神剣になれないんだ、と私に聞いてきたことがあったね」
青江「そして君はこう言った。幽霊とはいえ幼子を斬ったからじゃないかな、とね」
石切丸「その幼子(竹千代)は君が助けて君が育てるんだ」
ここの石切丸さんと青江さんが!竹千代を育てたからといって青江が神剣になれるようなことはないんだけど、幽霊とはいえ幼子を斬ったのは青江本人の意志ではないわけで。でもこの竹千代を助けて育てるっていう決断をしたのは青江本人なわけで。ただのモノではないと実感できた瞬間でもありました。ちょっと泣きそうな照れ笑いをする青江が見られたり、刀剣男士たちがお互いを気遣える優しい関係が大好きです。
戦い
家康がすくすくと育ち、ちょいちょい合戦があったりします。
それぞれ徳川家の家臣に成り代わっているので、史実通りにそれぞれが動きます。誰がどこに奇襲をかけて、ここまでいったらあとは引いて見守るとか、大体物吉くんの記憶を辿って各々戦います。
殺陣はもちろん見せ場のひとつであるので、存分に戦うんですが大倶利伽羅くんが地雷を踏みます。石切丸さんの。
一通り史実通りの戦いを終え自分たちの役割を終えた刀剣男士たちは、ほっと一息。そこで大倶利伽羅がつまらなそうに「こんなものか」と呟きます。その一言に静かにキレる石切丸。敵も味方も多かれ少なかれ血が流れるのが戦です。阿津賀志山のときもそうだったけど、石切丸は戦い自体をよしとしてない。人々の治癒の願いを長いこと神社で聞いていた刀なので、戦とは真逆の立場なんですよね。それでも歴史を守るという自分の役割のためもあったりして戦っている、敵を斬る、殺すこともあるわけです。戦ってる最中、周りを見渡して他の5振りが敵方となった人間を斬っていく姿を呆然と見つめる石切丸の姿があって、葛藤への伏線だと思いました。
石切丸は言葉ではなく、大倶利伽羅に刀を抜くことを要求します。手合わせのように戦うふたりでしたが、石切丸の気迫とか色々なものに大倶利伽羅が押されます。
石切丸「君の剣は軽い」
馴れ合うつもりはない大倶利伽羅は斬った人間がどうとか、自分の周りの人間がどうとかその人の人生とか、バックボーンに関して今まで意識してこなかった。だから向かってくる敵をただ斬っていればよかったんですね。モノのままでいようとしたのかもしれない。
ただこの後家康の家臣として迎えられ、百姓出の吾兵に剣術の稽古をつけたりと人と関わり合うようになって彼にも変化が訪れます。
本多忠勝に成り代わることを拒否していた蜻蛉切も本多忠勝として出陣します。本多忠勝には到底自分は及ばないから彼に成り代わることはできないという蜻蛉切に、蜻蛉切は蜻蛉切のままでいい、と物吉が諭します。本多忠勝の誇りを守るために戦え、と。今ここで蜻蛉切が本多忠勝として戦わなかったら歴史に名が残りません。それでは主の名を落とすことになる、それでもいいのかと。それで覚悟を決めた蜻蛉切なわけですが、亡くなった人を取り戻そうとするのではなくて、元主の生涯の誇りのために戦う蜻蛉切かっこよかったです。
徳川信康
この後の展開を考えると生まれてほしくなかったです。
家康の長男として信康が誕生します。この子も刀剣男士たちがすくすくといい子に育てていきます。剣術の稽古より花を摘むことを優先したり心根の優しい子に育っていきます。主に服部半蔵、石切丸が面倒を見ている感じで…育っていくにつれて石切丸は悩みだします。本当にこれでよかったのか、自分がしたことは間違っているんじゃないのか。信康の成長を喜ぶすぐ後に襲ってくる後悔の波…辛かったです。
家康の歴史を守るために刀剣男士たちは任務に就いています。史実ではその家康に命じられ信康は切腹するのです。死ななければいけない未来が来ることが分かっていて、それがいつかも分かっていて、死ぬための子を育てる。字面だけでも相当辛いので石切丸の心のバランスもギリギリか徐々に壊れていったんだと思います。その史実を心配してか青江が何度か石切丸に声をかけるんですが、「用があるから」と断られてしまいます。こんな状態で誰にも打ち明けられずひとりで抱える20年弱ですよ。普通に無理。
吾兵の死
大倶利伽羅 の成長。
吾兵は百姓で、ある戦に巻き込まれて両親が殺され、たったひとりいた妹も死んでしまったのだという青年です。でも戦に出ることになり、強くなりたいと大倶利伽羅に剣術の指南を頼みます。馴れ合いたくない大倶利伽羅なのでもちろん最初は拒みます。でも信康にも一緒になって頼まれたりと仕方なく引き受けますが、意外と面倒見がいい大倶利伽羅なので言葉は少ないながらきっちり剣術の稽古をします。吾兵にも懐かれます。そんな吾兵が戦の途中で物陰に隠れていた時間遡行軍に殺されます。傍に大倶利伽羅もいて、一瞬の油断で狙われた家康と信康を庇って吾兵が斬られてしまう。もう吾兵が助からないのはほぼ確実で、初めて近しい人間を亡くすことからか吾兵を斬った時間遡行軍をめちゃくちゃに斬ります。一太刀でもうきまっているところを感情が抑えられなくて何度も斬る感じ。
人の死というものをリアルに感じ取る大倶利伽羅。きっと今までは人を斬っても人形を斬っているのと変わらないくらいだったと思うんですよ、感覚的に。初めて馴れ合った人間が斬られたことで今まで自分が斬った人たちのことについても意識したんじゃないかなと思います。吾兵を助けられなかった、自分のせいで斬られた、そうも思ったのかもしれない。
吾兵の墓の前で石切丸と鉢合わせたときに、また手合わせをします。今度は大倶利伽羅が押されることはなかったです。怒りと覚悟を石切丸にぶつけているみたいでした。
吾兵が死んだことで大きな叫びはなかったですが、「感情なんてなければよかった!」と言う大倶利伽羅は確かに人の姿として顕現した上で人間らしい成長をしたんだと思うんですけど、それが仲間を失った悲しみというのが辛い。きっとこの叫びも公演重ねるごとにもっと重くなっていくんだと思います。
信康の死
ついに史実上の信康が切腹するその日が来ます。
そんな状況の中、「徳川四天王が揃ったのです。無意味に並んでみまショウ」という村正呼びかけの謎の遊びが始まります。そして本当に5振りが並んで立っているだけのほのぼの雰囲気のところに石切丸が通りかかります。
物吉「石切丸様も一緒に並びませんか?」
石切丸「遠慮しておくよ。用があるんだ…信康様を斬りに行く」
ここでぞっとしたのが、優しい顔をしたままで朝の挨拶をするみたいに信康様を斬りに行くと言ってそのままなんでもないことのように通り過ぎようとした石切丸です。他の刀剣男士たちも一瞬ぽかんとします。
歴史を正しく守ること。特に戦が嫌いな石切丸にとって徳川家康はその後の泰平の世をつくった人物でもあります。つまりこの後の泰平の世が確実に訪れるためには家康の歴史を守らないといけない。そのために敵は斬るし、史実通りに信康も死なないといけません。戦をなくすために人を斬る、殺す、本当にそれでいいのかをずっと石切丸はこの本編で悩んでいるような気がしました。
物吉「なんの罪もない人間を殺すんですか!?」
石切丸「私は、誰であっても奪っていい命があるとは思わないよ」
感情的に荒ぶる物吉に対して、当たり前だろう?というトーンで返す石切丸。死んでいい人なんてひとりもないはずなのに、そうは思っているのにこの時代で何人も殺しているし、今から自分が育ててきた信康を殺そうとしている。刀剣男士とはいえ、ここ精神状態振り切ってると思いました。あ、もう限界超えちゃったんだこの人。という。
そして誰も止められず石切丸は行ってしまいます。
青江「…心って壊れるんだって」
「ひとりでなんでも背負いすぎなんだよね」と言ってくれる青江が石切丸の傍にいてくれて本当によかった。
青江も大倶利伽羅も石切丸の後を追っていき、物吉も追いかけようとするのを村正が止めます。
村正「あなたは幸運だけ運べばいい。こういうのは妖刀の役目です」
村正なりのやさしさなんだと思いました。そんな村正に声をかける蜻蛉切が最高のイケメンでした。
蜻蛉切「俺も村正だ。妖刀をお前ひとりで担わなくてもいい」
そんなこと言われたら惚れるしかない。
史実では信康の死って細かいところまだ真相が分かってないんですよ。辻褄が合わないところがたくさんあって。信長の命令で家康が仕方なく従ったとか、それ自体が家康の陰謀だった説とか、家臣の派閥争い説とか。(今は家臣の派閥争い説が有力候補らしいです)
でも今回の話では信長は出てこないし、家康も刀剣男士と仲良しだし、そもそも家臣は刀剣男士なので派閥争いもない…なにが原因で切腹させるんだろうと思っていたんですが、違いました。史実ではなぜ信康が死ななくてはいけなかったのか、を物吉に問います。でも物吉も「分からない」と。ずっと家康の傍で見ていたけど、どうしてそうなってしまったのか分からないと。ここで答え出さないのいいな、と思いました。決めつけちゃったらおもしろくないし、それこそ間違った歴史観与えちゃうかもしれないですもんね。
家康に、徳川家を継ぎたくないと申し出る信康。その理由が戦をなくすために戦をする、その考え方は正しいかもしれないけど自分はそれを受け入れられないというもの。皮肉にも石切丸と同じことで悩んで結論は別でした。でも自分のそんな考えはいらないのだと思う、邪魔になるのだと思うからここで自分を斬ってくれと石切丸に頼みます。
そして史実通り、これは感情に任せてですが、服部半蔵である石切丸は信康のことがどうしても斬れません。でもここで信康が死なないこと、それは歴史改変になってしまいます。その気配を察知して検非違使が来てしまいます。検非違使にとっては時間遡行軍も歴史を改変しようとする者なので敵、刀剣男士も歴史上の遺物なので排除対象、ということで全部まとめてやられます。(検非違使ってそういう解釈なんだ!と目から鱗でした。今まであまりよく分かってなかった)
しかしこの大真面目な局面で、検非違使を最初に見た時のわたしの心の中はダースベイダー出てきた!でした。全身黒い鎧で出てきた検非違使さんどう見てもダースベイダーでした。(ダースベイダーはもともと日本の鎧を基にデザインされているので何も間違ってはないんですけどね)
検非違使がめちゃくちゃ強くて折れないかはらはらするほどでした。そして石切丸が検非違使に止め刺されてしまう!という時に庇って斬られたのが信康です。これで史実通りに信康は死んだことにはなったんですけど、悲しいです。相変わらず激重脚本。
結びの本丸
家康の最期を見届け回想が終わります。石切丸はせっせと記録を綴り中。そこに青江が通りかかります。
石切丸「これ誰だと思う?(似顔絵を見せる)」
青江「…誰かな?」
石切丸「にっかりさんだよ」
青江「…君には僕がそういう風に見えているんだね(笑顔がこわい)」
石切丸「じゃあ、これは?」
青江「大倶利伽羅?」
石切丸「そう」
青江「それを見た時の大倶利伽羅の顔が浮かぶようだよ」
そんな画力大差ないだろうに大倶利伽羅のは即答する青江おもしろかったです。
回想部分の石切丸の辛い年月も終わって、こうやって青江と笑い合えるだけに回復したんだと思うとみんなが石切丸を支えてくれてよかったと思います。あそこで心が壊れて回復できないなんてことがなくてよかった。
この後のんびりしていた石切丸が突然「あ!今日は馬当番だった!」とバタバタと走っていくんですが、この時の走り方がめちゃくちゃもたもたしてて機動値の低さが見えて好きです。細かいところまで隅々まで石切丸なの嬉しい。スムーズに走るわけがない。
石切丸が捌けた後に大倶利伽羅が入ってきて置き忘れた記録帳を見るんですが、最後に笑うんですよーーー!!!!!!なにそれずるい!!!!!!と思ったところで1部が終了です。
村正について言いたいことがある
ちょっとどこにもカテゴライズできなかったので村正について書かせてください。
まず、いちいちおもしろいです。間も完璧。シリアスにいく流れをぶった切ったりしてくれて重くなりすぎずにいれたのは村正のおかげでしょうね。
村正は何をやっても無反応な大倶利伽羅を構い倒したいらしく何回もちょっかいをかけては振られ…を繰り返していました。たとえば周辺警護の時には別々の場所で戦っていたので
村正「一緒に住みまショウか?」
大倶利伽羅「馴れ合うつもりはない」
ってあっさり振られたり。
でもマイペースなのは苦手なのか間が持たないのか青江とのシーンでは、
村正「脱ぎまショウか?」
青江「今は脱がなくていいよ」
訪れる沈黙…
村正「…っ今なんの時間ですか!?」
青江「なんの時間だろうねぇ」
青江相手と大倶利伽羅相手では違いすぎてほんとによく笑わせてもらいました。うちの本丸にはいないんですけど、欲しくなっちゃいました村正。「悪い奴ではないんだ」って蜻蛉切がしきりに言ってたんですけど、ほんとでした。ほんとに誤解されやすいだけなのだと。だってめちゃくちゃ正解言うんですよ。家康の最期を見届けた後もただの狸親父ではなかったということを認めるんですが、じゃあ好きになれたかを聞く物吉に対して、「それはそれ。これはこれです。印象がそう簡単に変わることはアリマセン」って言った村正に全力同意でした。でも今度からは固定概念を捨ててその時その時の媒体での家康像を捉えられると思います。狸親父じゃない家康もきっとどこかに存在しているはず。
2部
今回ももちろんあります、2部についてさくっとお話します。
とりあえずこれは見てくれ。見てくれないとこのすごさが分からない、っていうくらい歌がうまい。今まで2作品がどうとかそういう話じゃないんですけど、今まではなんとなく舞台もそんなに経験してないような、どちらかといえば歌って踊ってお芝居もして所謂ミュージカルの経験は浅い若いメンツが多かったと思うんですね。それが今回は物吉くん役の横田くん以外は舞台経験も豊富だったり歌がうまかったり、石切丸役の崎山さんは阿津賀志山公演での刀ミュ経験者だったりするので当然ですが、なんかみんな歌って踊るのに慣れている感じがして、すごいです。(でも物吉くん役の横田くんはファンサかわいいし、100%アイドルなので初舞台なのに彼もすごい)(歌は慣れればうまくなるので問題ないです)(しかし衣装とか含めてうたプリの翔ちゃんに見えます)(なんてアイドル)
わたしの個人的な見解ですが、阿津賀志山のオープニングはKAT-TUN的なジャニーズ、幕末のオープニングはマスカレードな仮面舞踏会、そして今回の三百年は美女と野獣でした(蜻蛉切が特に)。プロジェクションマッピングにお城と薔薇の蔦が絡むみたいな感じで、刀剣男子の衣装も各国の王子みたいな感じで素敵でした。みんながディズニープリンス(違う)。
とりあえず歌のうまさに圧倒されて、そして動きもキレッキレでぼーっとしていたら禊前のMCに入ってました。
当たり前のように大倶利伽羅が歌って踊る状況に疑問を抱きます。そして村正が「一緒に脱ぎまショウ」とかって誘います。「俺は脱がない」と応戦する大倶利伽羅に「今日は脱ぐと思うなぁ」って煽る青江がいたり。
こういうライブが慣れなくて照れる蜻蛉切もかわいいです。
蜻蛉切「俺も脱ぐのはちょっとなぁ」
大倶利伽羅「あんたはいつもより着ている」
確かに。村正と蜻蛉切は1部の衣装が結構露出度高めだからか2部の方が肌色少ないんですよね。でもファンサでチラリズムやっているとの噂を聞いたので、直視したらやばそうです。
そのあと渋る大倶利伽羅を「これも戦だよ」と言ってうまいことやってのせる石切丸がいました。そのまま大倶利伽羅も「戦か!ならば全力をかけよう!」とか言ってまんまとのっちゃって、この時に上手で石切丸と青江がグータッチしてました。クソ可愛い。
この日の禊は村正。お題は蜻蛉切でした。
蜻蛉切「任務中に『うっ…きつい…』と思っても元気になるようなかっこいいセリフ」
物吉「もういけますか?」
村正「いいよ」
物吉「村正様の任務中苦しくてもかっこいい…あれ?」
石切丸「元気になる」
物吉「元気になる、いやらしいセリフまで3・2・1」
物吉くんできる子!
村正「ワタシとにらめっこをしまショウ。…あ、今笑いましたね?負けデスよ。さて、どこから脱がせまショウか?」
会場「……キャー!」(一瞬あまりのことに言葉を失う会場)
石切丸「ジワジワきた感じだね」
そしてこの後が回替わりか分からないんですが、大倶利伽羅と青江のユニット曲→蜻蛉切ソロ曲→石切丸と物吉ユニット曲でした。村正は1部でソロ曲があるからなかったのかも。
ただ2曲目あたりの最後に振り付けで蜻蛉切と村正が社交ダンスか!?みたいな腰が絡むみたいな振りあってあれはやばい。アダルト。清潔にえろい…。
蜻蛉切のソロ曲がすごいですよ。何が起こったか分からない、歌がうまいのと世界観が違いすぎちゃって。ここAiiAシアターですよ?大丈夫なんですかその歌唱力でこの会場もったいなくない?みたいな。みんなうまいけどひとりレベルというか世界が違った。ジャスティン・ビーバーかと思いましたよね。あと歌い終わりに投げちゅうみたいな、投げてないけど唇に手あてて「ちゅっ」ってやったんですよ。あれで落ちた人相当いると思います。
大倶利伽羅役の財木くんはテニミュで手塚をやっている時に何回か見ていて歌がうまいのは知ってました。刀ミュ発表されたときも大倶利伽羅ってアイドルやる雰囲気とか全然ないのに超歌うまい子連れてきちゃったじゃん!どうなるの!財木ミュージカル!?とわくわくしていたんですが、財木ミュージカルでした。歌も踊りもレベル高いのに全部無表情なんですよね。逆にすごい。淡々とアイドルでした。歌うけど踊るけど媚びることはしませんが何か?っていうビジネスアイドル。手とか振らなくても存在自体がファンサ…尊い…って見てたんですけど、ステージ上から自分のうちわ見つけて指さしてました。ツンとデレの比率が正しすぎて震えます。
1部と2部で機動値が違いすぎるのが今回も安定の石切丸さんです。ばっさばっさファンサしてました。通路側の人は確実にされるくらいの覚悟持って行った方がいいかもです。斬ったり加持祈祷したり色々やってました。近くを通られて見上げる位置で見たんですけど神々しかった…。今回またウィッグ変わった気がします。より自然に、ボリュームがまた抑えられていたのでなんか普通に王子様でイケメンでした(知ってた)
青江役の荒木くんはファンサにも慣れた感じで、余裕持ってやってました。どういうファンサをしたら人が落ちるのかを分かっている感じ。素通りすると見せかけて振り向きざまにファンサとか。あんなさりげなくされたら落ちてしまう。
物吉くんは100%アイドルだったので全方位にファンサしてましたよ。すごい。メッセージうちわ全部に答えてあげようとするくらいの気概があった。そして笑顔。常に笑顔。自分のうちわ見つけるとさらに笑顔で、かわいい…のため息しか出ません。あれは人気出ます。
村正は近くに来なかったのでどんなファンサしてるかとか分からなかったんですよね。あと2回行けるのでしっかり見てこようと思います。
では、長々とお付き合いありがとうございました!
今回の刀ミュも今まで同様めちゃくちゃ楽しいです!