本好きなのでずっと気になっていた「文喫」に行ってきました
こんにちは。
本好きの間では何かと話題になっていた六本木の入場料がかかる本屋こと「文喫」に行ってきました。
噂の通り最高の読書空間…本との出会いの場だったので本好きに向けてご紹介します。
文喫とは
六本木の青山ブックセンター跡にできた入場料を支払うタイプの本屋さんです。
文喫の設備など詳しいことは他のブログや公式HPをご覧ください。
漫画喫茶などと違うところは時間制ではないというところが大きいと思います。平日1,500円(税抜き)、土日祝1,800円(税抜き)を支払えば開店から閉店までずーーーーっと居ていいのです。
"本との出会い"をテーマにしている本屋さんなのでいわゆるベストセラーなど人気作をただ置いているわけではなく、ジャンル別に分けられた本棚に無造作に関連した本が入っているといった感じ。小説の隣に専門書があったり、「文化」という棚には魔術の本があったり…中身は見なかったんですけど、めっちゃ気になります魔術の本。読んだら使えるようになるのでしょうか。
コーヒーと煎茶は無料で飲み放題なので、1,500円でゆっくりと読書を楽しめる―本に興味があれば高いとは感じない値段設定でした。
カフェと図書館との違い
読書といえばカフェや図書館でも事足りますよね。
カフェには自分で本を持ち込まないといけないけど、コーヒー片手に本を読むのであれば文喫と同じ。
図書館はコーヒーこそ出ないものの、ものすごい量の蔵書を無料で楽しめます。
なぜ文喫が最高の空間だったか、それはカフェほど賑やかではなく図書館ほど緊張しないちょうどいい居心地だったからです。
カフェは人が話している声があるのでそこそこ賑やかです。カフェの賑やかさ、酸素量が勉強するには最適の空間だと聞いたことがあります。ただ、こちらが読書をしたい場合…小説であれ新書であれその内容に集中したいときに隣の席の人が家庭の修羅場だったり、JDの壮絶3角関係、おじいちゃんおばあちゃんの終活話をしていたりするんですよ。事実は小説より奇なり。まさに!もう、そっちの人間ドラマが気になっちゃって読書3割・耳への集中7割になってしまう。
図書館は無料でたくさんの本がありますが、静かすぎます。私的なおしゃべりをすると注意されたり、勉強をしている学生も多い。図書館にいることに集中力を求められてしまうんですよね。そして蔵書の多さ。人間、選択肢が多すぎると幸福感が薄れるんだそうです。結局図書館に行く場合は新しい本との出会いというより標的を定めた上で借りるか著者の一本釣りという感じでまったく予想だにしなかった本を借りて帰ってくるということが少なかったように思います。
その点、文喫はカフェと図書館の両方のデメリットをクリアしていました。
文喫でもたまにおしゃべりしている人はいましたが、基本は本を読むという目的の人たちがいる空間なのでずーーーっと世間話をしているといった人はいませんでした。
もちろん本を読むだけではなく勉強している人やプログラミングをしている人、コワーキングスペースのように使っている人もちらほらいました。でも全体の2割ですね。ほとんどの人は本を読んでいます。
文喫は約3万冊の蔵書ということで、ぱっと見た感じそんなに本が多いという印象は受けないかもしれません。ただ、わたしにはこれがちょうどいい量でした。
新しい本との出会いを期待していたわたしにとってジャンルで分けられた本棚をくまなく見てまわることが目的だったのでこれ以上本が多いと出会えるものも出会えなかったと思います。
約4時間滞在して、自分なりに決めたルール(1冊を読む時間を短く(なんなら1章だけ)なるべく多くの本を読む)で15冊読めました。それこそ色々なジャンルの本です。
図書館では絶対手に取らない本
文喫で出会い、購入した本をご紹介します。
カラスの教科書
いや、もうぜんっぜん興味ないんですよカラス。
なのにこの本を棚からとってしまい、10ページくらい読んだときには心の中で購入を決定していました。
この本は確か「生き物」ジャンルの棚にありました。生き物といっても様々でそこには人間も含まれますから脳科学の本とかもあったような気がします。ですが、カラス。
最近家の近くでわたしのことをバカにしているようなカラスがいるんですね。鳩にフンを落とされたことはあるんですがカラスにはなかったんです。それが2日連続同じ場所でフンを落とされ(当たってはないです)、この本のタイトルを見た瞬間にそのカラスのことを思い出しました。この本ならカラスの生態が分かるかもしれない。敵を知らねば対策もできない、と思い手にとってみた次第です。
まだ冒頭しか読んでいないのですが、カラスにも色々種類がいると。わたしが住んでいる関東でよく見られるカラスはハシボソカラスとハシブトカラス…ん?ちょっと待って?わたしをおちょくっていたカラスはもっと大きいというか太い、そして鳴き方が犬みたいだった…その特徴だけで見るとワタリガラスっていうやつなんですが、ワタリガラスは北海道に生息していると。関東にいたら大問題なんじゃ…?ということを思ってしまったり、あのカラスがどの種類だったのか確かめるためにまた会えないかな、などと思っている始末。
冒頭読んだだけでこれですからね。あと購入を決定的にしてくれたのが、カラスってスズメ目なんですって。結びつかない…と思っていたら鳥類は1万種類くらいいるうちの約6,000種類がスズメ目だとか…適当じゃん!と面白くなってしまって購入してしまいました。これからじっくり読んでカラスについて見識を深めます。
図書館でまず探さないし、ただの本屋さんでも絶対出会うことない本だったと思うんですよね、このカラスの教科書。
"本との出会い"を掲げる文喫ならではで出会えた1冊だと思います。
他にも何冊か買ったんですが、設定がおもしろいと思ってあらすじを読んだ瞬間に購入を決定したのが「アーサー王宮廷のヤンキー」です。
トウェイン完訳コレクション アーサー王宮廷のヤンキー (角川文庫)
- 作者: マーク・トウェイン,大久保博
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/12/25
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 47回
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すっかりなろう系に毒されているわたしは思いました…異世界転生ものだ!
(ちがうけど…)
マーク・トウェインといえばトムソーヤですよね。そんな著名な方が今流行りの異世界転生ものを書いていたとは…と、もうこれは内容に興味しか湧かないので買って帰ってきました。
アーサー王伝説についても第三者視点から学べると思うので、これは期待が高まります。
なぜ文喫で本を買うのか
もちろん本屋さんなので文喫では置いてある本をそのまま購入することができます。
でもここでポイントなのが文喫で買う本はほとんどが既に新品ではないということです。普通の本屋さんであれば同じ種類の本が平積みされているので、人が手にとったものを避ける意味でも下から本をとってレジに持っていきます。
文喫は真逆です。
棚にその本は1冊だけ。中には表紙が少し傷んでいたり、本文のページが少し折れていたり…本によっては中古色が強いです。
わたしが読んだ中では、
こちらの本が結構ぼろぼろでした。実際少し読んでみたんですけど「あれもこれも分かる~!」といった内容ばかりで、日本という国に生まれた女子は「女子」という呪いに全員かかっているんじゃないかと思う事例しかなかったです。
中のページの糊がちょっと剥がれていたので、それだけ多くの人に読まれているんだと思います。
そんないわば古本をどうして買って帰るのか。
それは、ここで出会った本だからです。
言い方を換えれば、ここで出会わなければ手にとることもなかっただろう本だからです。
同じタイトルの本を後でAmazonで探して買うことは容易ですが、ここで出会ったこの本はネットでは買えないのです。すごく感覚的ですが付喪神的なものでしょうか。
3万冊という蔵書から出会った1冊、もはや運命です。
ここで出会ったこの本を家に持ち帰りたい、そういう気持ちにさせてくれる本屋さんです。
本が好きであれば、興味があれば1度行ってみるとおもしろい体験ができると思います。
わたしのように帰る頃には普段読むものと全然違うジャンルの本を手に持っているかもしれません。(わたしは普段はほとんどミステリばかり選んで読んでいます)